ビジネスローンの勘定科目は?個人事業主向けに仕訳方法を即答解説

更新日:2026年7月14日

ビジネスローンの勘定科目は、返済期間1年以内なら「短期借入金」、1年超なら「長期借入金」です。利息部分は「支払利息」として処理します。

「どの勘定科目を選べばいいの?」と悩んでいる方も、基本のルールを押さえておけば迷わず正確に処理できるようになります。この記事では、判断基準から仕訳例、よくある間違いまで順番にお伝えしていきます。

ビジネスローンの勘定科目とは?結論を30秒で即答

ビジネスローンの勘定科目は「短期借入金」または「長期借入金」のどちらかです。本章では、ビジネスローンの勘定科目に関する以下の3つの基礎知識を解説します。

  • ビジネスローンの勘定科目は「短期借入金」か「長期借入金」
  • ビジネスローンの勘定科目を決める「1年基準」とは
  • ビジネスローンの勘定科目一覧表

ビジネスローンの勘定科目は「短期借入金」か「長期借入金」

ビジネスローンで借りた資金は、貸借対照表の「負債」に計上します。返済期間1年以内なら流動負債の「短期借入金」、1年超なら固定負債の「長期借入金」を選んでください。

利息部分は損益計算書の「支払利息」(営業外費用)として元本とは別に処理する仕組みです。法人・個人事業主を問わず共通のルールなので、覚えるべき勘定科目は「短期借入金」「長期借入金」「支払利息」の3つだけ。帳簿処理はこれで完結します。

ビジネスローンの勘定科目を決める「1年基準」とは

短期・長期の判断は「ワン・イヤー・ルール(1年基準)」という会計原則に基づいています。決算日の翌日から起算して1年以内に返済期限が来れば短期借入金、1年を超えれば長期借入金という分類です。

たとえば3年返済のビジネスローンは長期借入金、6ヶ月返済なら短期借入金です。ローン契約書の「返済期間」欄を見れば即座に判断できます。

ビジネスローンの勘定科目一覧表

ビジネスローンで使う勘定科目を、タイミング別に以下の表で整理します。

タイミング借方科目貸方科目具体例
借入時普通預金長期借入金(または短期借入金)300万円が口座に入金
返済時(元本)長期借入金(または短期借入金)普通預金毎月の元本返済83,333円
返済時(利息)支払利息普通預金毎月の利息支払12,500円
決算時(未払利息)支払利息未払費用決算日時点の未払利息を計上
※上記の金額はあくまで例示です。

借入時と返済時の仕訳が最も頻度が高いため、まずはこの2つから覚えましょう。

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ビジネスローンの勘定科目はどう使い分ける?短期借入金と長期借入金の判断基準

短期借入金と長期借入金の使い分けは返済期間だけで決まります。ただし、長期借入金のうち決算日から1年以内に返済期限が来る部分は「1年以内返済予定の長期借入金」に振り替える処理が必要になるケースもあるため注意してください。

ここでは、期間に基づく以下の3つのケースについて詳しく見ていきます。

  • ビジネスローンの勘定科目が短期借入金になるケース
  • ビジネスローンの勘定科目が長期借入金になるケース
  • ビジネスローンの勘定科目で「1年以内返済予定の長期借入金」とは

ビジネスローンの勘定科目が短期借入金になるケース

返済期間1年以内のビジネスローンは「短期借入金」を使います。繁忙期の仕入れ資金、つなぎ融資、季節的な一時的運転資金などがこれに該当します。

たとえば、年末の繁忙期に向けて6ヶ月返済で100万円を借りた場合は短期借入金を選んでください。当座貸越型(限度額の範囲内で自由に借入・返済できるタイプ)のビジネスローンも、短期借入金に該当します。流動負債に分類されるため、貸借対照表では「1年以内に返済義務がある負債」として表示されます。

ビジネスローンの勘定科目が長期借入金になるケース

返済期間1年超のビジネスローンには「長期借入金」を使います。設備投資資金や長期の運転資金が該当し、機械設備の購入では返済期間が3〜5年に設定されるケースがほとんどです。

以下の表で、短期借入金と長期借入金の違いを比較します。

比較項目短期借入金長期借入金
返済期間1年以内1年超
貸借対照表の区分流動負債固定負債
具体例つなぎ融資・仕入れ資金・季節資金設備投資・長期運転資金
使用場面一時的な資金需要中長期の事業計画に基づく資金調達

判断基準は返済期間のみで、借入の目的や金額は関係ありません。

ビジネスローンの勘定科目で「1年以内返済予定の長期借入金」とは

長期借入金のうち、決算日から1年以内に返済期日が到来する部分を「1年以内返済予定の長期借入金」に振り替える処理があります。流動負債と固定負債を正確に区分するための会計処理です。

個人事業主の青色申告決算書では法人ほど厳密な流動・固定区分表示が求められないため、この振替処理を省略できるケースが多いです。借入金を短期・長期に分けるだけで十分な場合がほとんどですが、不明な場合は顧問税理士への確認をおすすめします。一方、法人の場合は決算時に振替仕訳が求められる場面があるため、顧問税理士と相談してください。

ビジネスローンの勘定科目を使った仕訳方法を場面別に解説

ビジネスローンの仕訳は「借入時」「返済時」「利息支払時」の3つの場面を押さえれば完了します。個人事業主の場合、元本返済と利息支払を分けて仕訳する点が最大のポイントです。

ここでは、以下の3つのシチュエーション別に具体的な仕訳手順を解説します。

  • ビジネスローンの勘定科目|借入時の仕訳例
  • ビジネスローンの勘定科目|返済時の仕訳例(元本と利息の分離)
  • ビジネスローンの勘定科目|利息だけを支払う場合の仕訳例

ビジネスローンの勘定科目|借入時の仕訳例

300万円を3年返済(年利5%)で借り入れた場合の仕訳を見ていきましょう。入金時は普通預金の増加(借方)と長期借入金の増加(貸方)を記録します。

以下の表は、通常の借入と事務手数料が差し引かれた場合の仕訳例です。

借方貸方金額摘要
普通預金長期借入金3,000,000円ビジネスローン借入(通常ケース)
普通預金長期借入金2,978,000円手数料差引後の入金額
支払手数料長期借入金22,000円ローン事務手数料
※上記の金額・利率はあくまで例示です。実際の条件はご契約内容をご確認ください。

手数料が差し引かれて入金された場合は、手数料分を「支払手数料」として借方に計上してください。

ビジネスローンの勘定科目|返済時の仕訳例(元本と利息の分離)

毎月の返済では、元本と利息を分けて仕訳するのがポイントです。返済額が95,833円(元本83,333円+利息12,500円)の場合は以下のとおりです。

借方貸方金額摘要
長期借入金普通預金83,333円ビジネスローン元本返済
支払利息普通預金12,500円ビジネスローン利息
※上記の金額はあくまで例示です。

元本と利息の内訳は、金融機関から送付される「返済予定表(償還表)」で確認できます。そのまま仕訳に転記しましょう。

ビジネスローンの勘定科目|利息だけを支払う場合の仕訳例

据置期間(元本返済を猶予されている期間)中は、利息のみの支払いが発生します。借方「支払利息」・貸方「普通預金」の1行で完結するシンプルな仕訳です。

決算をまたぐ場合は未払利息の計上も忘れないでください。12月決算の事業者が1月に利息を支払う場合、決算日時点で「支払利息(借方)/未払費用(貸方)」として見越し計上し、翌期の支払い時に未払費用を取り崩します。

ビジネスローンの勘定科目で個人事業主がやりがちな2つの間違い

ビジネスローンの会計処理で個人事業主がよくやる間違いは、元本と利息の未分離・事業用と私用の混同の2つです。いずれも税務調査で指摘されやすいポイントなので、事前に押さえておきましょう。ここでは、以下の内容を解説します。

  • ビジネスローンの勘定科目で元本と利息を分けずに処理する間違い
  • ビジネスローンの勘定科目で事業用と私用を混同する間違い

ビジネスローンの勘定科目で元本と利息を分けずに処理する間違い

返済額の全額を「長期借入金」で処理してしまい、利息を経費計上できていないケースも少なくありません。事業専用の借入金(ビジネスローン)の支払利息は事業に関する必要経費として計上できるため、分離しなければ税金を余分に支払う可能性があります。

たとえば年間の利息支払が15万円の場合、経費計上で課税対象額が15万円減少します。所得税率20%(課税所得330万円を超え695万円以下の場合)であれば、約3万円の節税につながります。

ビジネスローンの勘定科目で事業用と私用を混同する間違い

事業用口座と生活費の口座を分けていない個人事業主は、「事業主貸」「事業主借」の処理が欠かせません。私用口座からローンを返済した場合、貸方に「事業主借」を計上してください。

事業資金を私用に流用した場合は「事業主貸」で処理します。この区分を曖昧にすると税務調査で経費の正当性を証明しにくくなるため、口座はできる限り分けておきましょう。

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ビジネスローンの勘定科目に関するよくある質問

ビジネスローンの勘定科目に関して、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。

Q. ビジネスローンの勘定科目は何になりますか?

返済期間1年以内なら「短期借入金」、1年超なら「長期借入金」です。利息部分は「支払利息」で処理してください。ローン契約書の「返済期間」欄を確認するだけで、個人事業主・法人を問わず判断できます。

Q. ビジネスローンの利息は経費にできますか?

はい、事業専用のビジネスローンの利息(支払利息)は事業の必要経費として計上できます。法人は損金算入、個人事業主は必要経費として所得から差し引ける仕組みです。

元本返済額は経費になりませんが、利息を分離して計上すれば所得税負担の軽減につながります。具体的な適用は個別の事情により異なるため、不明な点は税理士にご確認ください。

以下の記事では、ビジネスローンの経費にできるもの・できないものを一覧にまとめているので、ぜひご覧ください。

ビジネスローンは経費にできる?勘定科目・仕訳から税務調査対策まで解説

Q. ビジネスローンの返済時の仕訳はどう書きますか?

返済額を元本と利息に分けて仕訳します。元本は借方「長期借入金(または短期借入金)」、利息は借方「支払利息」、貸方は「普通預金」です。返済予定表で内訳を確認しましょう。手元にない場合は、借入先の金融機関に再発行を依頼してください。

Q. 個人事業主と法人でビジネスローンの勘定科目は違いますか?

基本の勘定科目(短期借入金・長期借入金・支払利息)は共通です。個人事業主は「事業主貸」「事業主借」を使う場面がある点、法人は決算時に「1年以内返済予定の長期借入金」への振替が求められる点が異なります。

Q. ビジネスローンを繰り上げ返済した場合の勘定科目はどうなりますか?

繰り上げ返済でも勘定科目は通常の返済と同じです。元本全額を「長期借入金」の借方に計上し、普通預金を貸方に記録します。繰り上げ返済手数料がかかる場合は「支払手数料」として別途仕訳してください。

まとめ: ビジネスローンの勘定科目は返済期間で判断すればOK

ビジネスローンの勘定科目は、返済期間1年以内なら短期借入金、1年超なら長期借入金、利息部分は支払利息として処理できます。元本と利息の分離を忘れずに行えば、経費計上による節税効果も得られます。

この記事で解説した判断基準と仕訳例を参考に、まずは借入時の仕訳から会計ソフトに入力してみてください。不安な場合は顧問税理士に「短期借入金と長期借入金の分類はこれで合っていますか?」と確認するだけで、正確な帳簿管理につながります。

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※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・会計相談に代わるものではありません。具体的な会計処理についてはお近くの税理士・税務署にご確認ください。

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